解体前のアスベスト調査に伴う分析について

昔アスベストを使用して建てられたビルなどが、今は解体され、新しいビルを建てる時期に差し掛かっています。しかしご存知のようにこのアスベストは、繊維が細いため空気中を漂いやすく、工事を担当した人たちがそれを吸入することにより、じん肺や肺がんなどの病気を引き起こしていました。このため、昭和50年には建築物に使うことが禁止され、今では原則的に使用がすべて禁止されています。このような事情があるため、解体の時はアスベストの繊維が悪影響を与えないよう、事前に調査が行われています。

調査はまず図面と、それから目視によるものが行われ、それでもはっきり確認できない場合は、サンプルを取って分析する方法が採られるようになりました。サンプルの分析には2通りあり、まずアスベストの有無を確認するための定性分析があります。これには偏光顕微鏡法と言って、鉱物が偏光に対して示す多色性や、屈折率を利用した方法です。それ以外には位相差・分散顕微鏡法という方法もあり、特定の津液に浸すことによって色が変化する性質を利用し、有無を判断します。

それ以外にはX線回折法と言って、X線を当てることによって得られる回折線から有無を判定する方法もあります。この方法は定量分析にも用いられます。これは定性分析とは異なり、アスベストの含有率を調べるための方法です。含有率が0.1パーセントであった場合は、労働安全衛生法で使用や製造、輸入などが禁じられており、解体をするにも飛散防止を前提とした、特別な工事を行うことになります。

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